澄んだ空気と、澄んだ酒。—— 秋田・飛良泉本舗の「夏酒」を訪ねて

澄んだ空気と、澄んだ酒。—— 秋田・飛良泉本舗の「夏酒」を訪ねて

初夏の訪れとともに——秋田の空の下で

5月半ばの秋田。
空気はからりと澄んでいて、思わず深呼吸したくなるような清々しい日でした。

道中には田植えシーズンを迎えた田んぼの緑、そして雄大な鳥海山の姿が広がり、移動中の車窓からも目を奪われました。


今回訪れたのは、にかほ市にある老舗酒蔵・飛良泉本舗
500年以上の歴史をもつこの蔵は、黒塗りの堂々とした外観が印象的で、かつて港町として栄えた歴史の残る街の佇まいとも調和していました。
目の前には日本海が広がり、かすかに磯の香りも漂ってきます。
この爽やかな風土の中で飛良泉本舗の酒が生まれるのだと実感しました。


歴史とともに生きる蔵の空気

迎えてくださったのは、蔵元の斎藤さん。穏やかで落ち着いた人柄の中に、酒造りへの誇りと繊細なこだわりが感じられました。

江戸時代の日誌や古酒を保管している蔵など、まるで博物館のように貴重なものをたくさん見せていただきました。

斎藤さんのご先祖は、1470年頃、応仁の乱の時期に現在の大阪から秋田のにかほへ移り住み、廻船問屋を営んでいたそうです。そして陸路の発達と共に廻船問屋の仕事は減っていき、酒造業一本での営みに変化していきました。

飛良泉の歴史には、日本史の流れそのもののような長大な時間の重みを感じます。


この時期は酒造りのほとんどの工程を終えているとのことでしたが、蔵の中を特別に案内していただきました。
歴史的な建物でありながら、蔵や道具を清潔に保つ工夫がなされていました。

6年前に斎藤さんが飛良泉本舗を継いだときから、酒造りのための環境として

自分たちがやりやすいように少しずつ動線を整えたり、設備を揃えていったそうです。

梁には蔵付き酵母が今も生き続けており、一部のお酒はこの酵母をつかって醸造しているそうです。

長い時間をかけて息づく菌たちが、飛良泉のお酒の個性を育てています。


飛良泉の夏酒「涼夜」

さて、そんな秋田県にかほ市の飛良泉本舗からこの夏だけの特別な一本が届きました。

Summer Edition 涼夜(りょうや)

飛良泉本舗(秋田県)

蔵元 斎藤雅昭

夏酒らしい低アルコールで仕上げた1本。
優しい甘みと爽やかな酸味が印象的。
これ以上濃すぎても、薄すぎてもという
究極のバランスに仕上げた低アルコールの日本酒です。

味の設計を支えるのは、にかほの水。

ミネラルを含むこの海沿いの土地の水は、酸味を生み出す「山廃造り」と相性がよく、控えめながら豊かな香りと繊細な味わいを引き出してくれます。

使われているお米は地元・にかほ産の「あきた酒こまち」。契約農家との関わりを深めることで、酒づくりが土地そのものとつながっていることを強く感じるようになったと斎藤さんは話してくれました。

鳥海山と海に囲まれたこの地で、自然と人が一緒に育てた一本。
夏の食卓に、さりげない涼を添えてくれるお酒です。

夏の一杯が、暮らしに涼を添える

どこか懐かしさと品のある町の風景。海と山の気配と、蔵に息づく時間。
そんな空気をまとった一本が、夏の食卓にそっと彩りを添えてくれるはずです。


💡2025年4月より毎日深夜2時〜

BS日テレで放送中!(日曜除く)

日本各地の100年以上の歴史を持つ酒蔵で、若き蔵元や杜氏が挑む酒造りの物語。
その真摯な姿と熱い想いを追うドキュメンタリー番組。

『その酒に人は宿る 若き匠が挑む、10の物語』

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