こんにちは、ベルです。
今日はNo.9紺青(こんじょう)を造る若き匠をご紹介します。
広島県竹原市に位置する酒蔵「藤井酒造」さん。
1907年に日本で初めて開催された、全国清酒品評会で日本一に輝いた名誉ある蔵です。
そんな藤井酒造の酒造りには、時代と逆行するような挑戦を続ける6代目蔵元、藤井義大さんの想いがありました。
家業を継ぐと決めた30歳、蔵元の覚悟
「最初は絶対継ぎたくなかった。」
蔵元となった藤井義大さんは、最初から家業を継ぐつもりはなかったそうです。
大学時代はアメリカに留学し、卒業後はベンチャー企業で自分の実力で大きなものを成し遂げたいと考えていたそう。
しかし、家族が代々守ってきた酒蔵を「僕の代で終わらせてはダメだろう。」という素直な思いが芽生え、蔵に戻ることを決意。
帰国後東京で修行を積み、藤井酒造に戻ってきたのは30歳の時でした。
そして、昔ながらの伝統製法「生酛(きもと)づくり」による酒造りの挑戦が始まりました。
美味しさを求めて。生酛づくりへの転換
蔵元になって1年目、義大さんが挑戦したのは、江戸時代から続いている製法「生酛(きもと)づくり」による酒造りです。
生酛づくりとは、人工的な酵母や乳酸を加えず、蔵に住みついた自然の微生物を利用して酒を醸す、伝統的な方法です。

「日本酒は正直好きじゃなかった」と語る義大さん。
しかし最初に飲んだ『生酛(きもと)の熟成酒』の美味しさに衝撃を受けたようです。
酵母や乳酸菌は添加しながら作るのが現代の主流ですが、藤井酒造では自然の力をベースに酒造りが行われています。
一手間かけた自然の力による酒造り
生酛(きもと)づくりは非常に手間のかかる作業です。
朝、蒸した米を布で覆って乾燥を防ぐ「いけ飯のさらし」や、地元竹原の仕込み水を加えて手で行う「酒母の仕込み」。
そして米をすりつぶす作業「元摺り(もとすり)」と続きます。
実際の工程をみると、機械をほとんど使わず手作業が多いためか、古き良き時代の酒造り、そんな風景を見ているような気持ちになります。
特に、この元摺り(もとすり)の作業は、麹をドロドロに溶かしてあげることで、雑菌が入り込む隙間をなくしつつ、空気中にいる乳酸菌が立ち上がりやすい環境を作ってあげるのが目的。
「酒造りしている実感を得られる。」と蔵元・義大さんが話す通り、力強く地道な作業です。
目指すのは唯一無二の地酒
藤井酒造が目指すのは、生酛づくりを未来に繋げ、しっかり美味しい、ずっと愛され続けるお酒を造ること。
「酵母に合った温度管理や工程の調整が難しい。」
生酛づくりならではの難しさがありつつ、毎年の試行錯誤を繰り返し、分析作業を行いながら酒造りしています。
”この蔵でしか作れない、唯一無二の味を極めていく”
地元・竹原市の活性化とともに全国へそして世界へと藤井酒造の日本酒が広まっていく予感がします。
十彩限定「紺青(こんじょう)」をご紹介
そんな藤井酒造の未来を一緒に応援したいという思いから、といろのお酒「紺青(こんじょう)」をともに造り上げました。
No.9 紺青(こんじょう)
藤井酒造(広島県)龍勢
代表/藤井 義大
海のように深い青色「紺青」のように、底知れない魅力と可能性を感じさせる一本。
みずみずしくも骨格がしっかりとあり、奥深さと品格を感じさせます。
繊細でクリアな口当たりから、芳醇な米の甘味と旨味がふわりと広がります。
単なる酒造りの枠を超え、昔ながらの製法を体現しながら、新たな道を開き続ける藤井酒造、若き匠の挑戦。
その一つ一つの工程、そしてお酒に込められた想いは、味わいに彩を与えます。
💡2025年4月より毎日深夜2時〜
BS日テレで放送中!(日曜除く)
日本各地の100年以上の歴史を持つ酒蔵で、若き蔵元や杜氏が挑む酒造りの物語。
その真摯な姿と熱い想いを追うドキュメンタリー番組。
『その酒に人は宿る 若き匠が挑む、10の物語』