雨音に包まれた、心あたたまるひととき──森酒造場「HIRAN 蔵開き2025」取材レポート

雨音に包まれた、心あたたまるひととき──森酒造場「HIRAN 蔵開き2025」取材レポート

こんにちは、グッティです。

2025年5月。

「紅藤」をてがける長崎・平戸の森酒造場で開催された「HIRAN 蔵開き」のイベントにお邪魔して来ました。

今年は130周年という節目を迎えた記念の年で、例年以上に多彩な催しが用意されていました。


「蔵開き」とは?

「蔵開き」とは、新酒の完成を迎える節目に行われる酒蔵の“感謝祭”。

新酒が完成する春先、日頃の感謝を込めてお得意様や地域の人々に振る舞い、お披露目する場です。

ただ日本酒を味わうだけでなく、酒蔵という普段は立ち入れない空間で、酒造りの背景や造り手の想いに触れられる、まさに“開かれた蔵”との出会いの場。

その年の酒に込められた物語を、五感で楽しむことができる貴重な文化体験です。

森酒造場は毎年5月末に蔵開きのイベントを開催しています。


にぎわいの中に広がる、多彩な“発酵”の体験

蔵開き当日はあいにくの雨模様でしたが、朝早くから多くの人々が集まっていました。

地元の方はもちろん、このイベントのために県外からお越しになる方も大勢いらっしゃるそうです。

蔵には酒のほんのり甘い香りと熱気が立ちのぼっていました。

イベントでは、10種類以上の「飛鸞(ひらん)」の日本酒を試飲できる飲み比べや、限定酒の販売、甘酒シェイク、酒粕つかみ取り大会など、お酒好きから家族連れまで楽しめる内容が盛りだくさん。

さらに、今年は飛鸞のラベルデザインを手がける書道家・劒朧(けんろう)さんによる大迫力のライブパフォーマンスも実施され、酒とアートが交錯する特別な空間が生まれていました。


集中して味わう、利き酒大会

なかでも個人的に印象深かったのは「利き酒大会」。

参加者は飛鸞の日本酒5種類をブラインド(銘柄を隠した状態)でテイスティングし、それぞれの銘柄を当てるという毎年恒例のイベントです。

杜氏の森さんから「今年は特に難しくしました」との一言もあり、参加者たちは楽しみながらも真剣な面持ちで香りや味わいの違いを探り、一杯一杯と向き合っていました。

いつもは気軽に楽しんでいたお酒も、このときばかりは集中力を総動員。
味わいの変化や、余韻の違いなどに意識が向くことで、あらためて日本酒の多様さに気づいた時間でした。

また、各銘柄に込めた造り手の想いや、味の特徴を杜氏ご本人から直接伺えるのもこのイベントならではの贅沢。

残念ながら全問正解できませんでしたが、飲む順番で感じ方が変わったり、普段は見過ごしてしまうような酸や甘みの微妙な違いを発見して味わい方が深まったように思います。


蔵と人とが交わる“節目”の場として

森酒造場がこの蔵開きに込めていたのは
「つくる人と飲む人が触れ合える時間をつくること」。

普段から想いを込めてお酒を造っているけれど、生産者とお客様が対話できる機会はなかなかない。

だからこそ、蔵を開き、顔を合わせて話し、味わい、共有する。

杜氏、スタッフ、日頃から飛鸞の酒造りに縁のある方たちと共に感謝をかたちにする場であり、地域の人も遠方のファンも一緒に参加できる“全員参加のイベント”なのです。

地元の出店者たちも、森酒造場と日頃から関わりのある人ばかり。

単なる「地元コラボ」ではなく、日々の積み重ねの中で生まれた信頼関係が、そのままイベントの温かさとして伝わってきました。

また、昨年の来場者数の多さを受けて、今年は整理券・前売りチケットの導入されたそうです。

事前にシミュレーションを重ねて準備された運営は、来場者への思いやりに満ちており、丁寧な配慮が感じられました。


「飛鸞」という旗印のもと、平戸の魅力を伝えていく

森酒造場のブランド「飛鸞(ひらん)」には
歴史あるこの小さな島を背景に、酒を通じて
平戸の自然・文化・人の魅力を伝えていくというミッションが込められています。

「イベントをきっかけに、平戸を訪れ、楽しんでもらいたい」

蔵元のその想いが、お酒だけでなく、イベント全体の空気からも伝わってきました。

今回は時間の都合で平戸観光はできませんでしたが、移動の車中からも豊かな自然と歴史ある町並み、地域の人に大切に受け継がれている美しい風景を感じることができました。

次回はたっぷり時間をとって平戸を楽しみたいと思います。

森酒造場の蔵開きは、また必ず行きたいと思える心あたたまる一日でした。


森酒造場の平戸への愛が詰まった一本「紅藤」

そんな森酒造場が造るといろ限定のお酒「紅藤(べにふじ)」

No10.  紅藤(べにふじ)

森酒造場(長崎県)

杜氏 森雄太郎

製造工程の中でお酒を加えた「貴醸酒」で、濃醇な甘みがありながら飛鸞の特徴であるキレの良さも感じる、後味はとてもすっきりとした味わいです。

フルーティーで奥行きのある甘みが、特別なデザートのように感じられる一杯です。

地元への愛と伝統を大切にしながら、常に新しい挑戦を続ける森酒造場。
そのクラフトマンシップを、あなたも応援してみませんか?


💡2025年4月より毎日深夜2時〜

BS日テレで放送中!(日曜除く)

日本各地の100年以上の歴史を持つ酒蔵で、若き蔵元や杜氏が挑む酒造りの物語。
その真摯な姿と熱い想いを追うドキュメンタリー番組。

『その酒に人は宿る 若き匠が挑む、10の物語』

▶番組の詳細はこちら

 

🇯🇵日本の若き匠たちが造った

『といろのお酒』限定販売中!🍶

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