こんばんは、夏がちょっぴり苦手なシスターです。
日本酒造りが1年の中でどのように行われているか、ご存じですか?
実は7月は「日本酒の元旦」と呼ばれている月で、
新年度の酒造りに向けて動き出す月なのです。
そこで今回は、日本酒ができるまでの1年の流れを
春夏秋冬に分けてご紹介します!
【春】3〜5月|酒造りが終わり、田んぼが始まる

春、酒蔵の中では「造りの終わり」を迎えます。
冬の間に仕込んだ日本酒が完成し、瓶詰め・出荷されていく頃です。
一方で、次の酒造りのための準備もスタート。
酒米の農家さんは、田植え前の準備(育苗・代かきなど)に入ります。
また酒蔵も、使い終えた設備の清掃・メンテナンスをしながら、
製造報告書の提出や、次年度の仕込み計画などの事務作業も多い時期です。
【夏】6〜8月|静かな蔵と、動き出す新しい年

夏は酒蔵にとって最も静かな季節。
醸造は基本的に行われず、蔵の中もひと休みといった雰囲気です。
一方、酒米の田んぼでは稲が青々と育ち、農家は繁忙期。
また蔵ではこの時期、新商品の企画や販促準備、設備の改修など、
次の造りに向けた動きが始まります。
そう、7月1日は「日本酒の元旦」。
日本酒の仕込みが秋〜冬に行われる関係で、年をまたぐ酒造りの管理のために、
酒造年度を7月始まりに設定したという歴史的な背景があります。
この日から、新しい「Brewery Year(BY)」が始まり、
酒蔵にとっては“仕込みに向けた準備の本格始動”の合図でもあるのです。
【秋】9〜11月|収穫・精米・仕込みの準備

秋になると、いよいよ酒米の収穫期。
コンバインで刈り取られた米は、乾燥・調整され、蔵に運ばれます。
そして同時に、いよいよ新たな「仕込み」が始まる蔵も。
精米された米を蒸し、麹をつくり、酒母(しゅぼ)を仕込み、
タンクで発酵が進む工程へと入っていきます。
10月は「ひやおろし」など秋限定の日本酒も登場するなど、
蔵の内外で動きが活発になってくる季節です🍁
【冬】12〜2月|酒造りのピーク。しぼりたての季節へ

冬は、日本酒造りの本番シーズン。
気温が低く雑菌の繁殖が抑えられるため、昔から「寒造り」が主流です。
麹室(こうじむろ)での麹づくり、酒母の育成、仕込み、発酵管理……。
蔵人たちが泊まり込みで丁寧に管理しながら、日本酒は育っていきます。
年末〜年始には「しぼりたて」や「無濾過生原酒」など、
フレッシュな新酒が次々と登場。
まさに“旬を味わえる季節”が到来します。
まとめ|日本酒は、季節と人が織りなす一年の物語
こうして見ると、日本酒は1年を通して多くの工程と人の手を経てできあがる、
まさに「四季の結晶」ともいえるお酒です。
そして、7月1日“日本酒の元旦”は、そんな物語が始まる日。
次に飲む1杯の裏側に、どんな季節とストーリーがあったのか。
そんなことを思いながら日本酒を味わうと、きっともっと楽しくなりますよ。
シスター👼
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